日々の生活の中で、一番ダメージの多い出費といえば、もちろん居住費ですよね。
賃貸物件に住んでいると、毎月の家賃が一番の負担です。都内であれば一人暮らしでも10万円前後はかかりますし、夫婦や子供のいる家族の場合は、15万円を超えることも。
本記事では、この居住費を抑える方法として、マンションを買ってしまうことをおすすめします。
ぶるぶると言います。長く金融業界で仕事をしていて、その知識を活かしてお金や金融、節約関連などのお役立ち情報を発信しています。
不動産は金融業界の一つでもありまして、業界の研究をしながら自分でもマンションを購入しています。
本記事では、「マンションを買う方が賃貸よりお得」である理由を解説していきます。
1.借りるより所有が安い
マンションにしても一軒家にしても、賃貸物件に住んでいるよりも自分で所有しながらローンを返済している方が、キャッシュアウトは少ないことが多いです。
具体例を出しますと、例えば以下の物件は賃貸でも中古販売でもsuumoなどの不動産サイトで出ています。
自由が丘
徒歩10分
築17年
1LDK
50.2m2
南東向き
この物件の、同じ間取りが、
- 中古物件として4,800万円
- 賃貸物件として家賃19万円
として出ています。
仮に4,800万円を35年ローンで金利1%で組むと、毎月の返済額は13.5万円ほど。
賃貸で住んでいると、毎月の出費は19万円ですが、自分で所有さえすれば5.5万円も出費を抑えられるわけです。
もちろん、購入時には仲介手数料や銀行宛手数料、印紙代などなどがかかりますが、それらが仮に合計5%分かかったとしても、計240万円。
月々に直すと6,000円ほどです。
また所有していると固定資産税がかかりますが、50m2以上の物件であれば住宅ローン控除もありますので、ほぼこの計算で大丈夫です。
要するに、同じグレードのマンションに住むなら、賃貸よりも購入の方が安い出費で済むということが分かります。
2.ゼロ円で住むことも可能
先ほど、同じマンションなら「賃貸で住むより、買ってローン返済する方が安い」ことを実例を交えて解説しました。
しかし、僕自身がマンションを買ってしまうことをおすすめする本当の理由は、別のところにあります。
考え方次第なのですが、実質ゼロ円で住むことが可能になります。
そもそも、「マンションを買ってしまいましょう!」と言われても、
「いきなりそんな高額な買い物は無理です」とか、「一生に一度の大きな買い物なので、子供が出来てからじっくり考えたい」という方も多いでしょう。
しかし、「買う」ことを必要以上に重く捉える必要はありません。不動産の購入は、何も一生に一回でなくてもいいですし、買った物件に一生住まないといけないわけでもありません。
大事な考え方は、「売却前提で買う」です。
仮に3,500万円のマンションを35年ローンで買って、10年後に売って住み替えるとしましょう。
10年間でローンは1,000万円払いますから、10年後にはローンの残りは2,500万円。
もし仮に、そのマンションが買った時と同じ価格で売れたら、どうでしょう?
10年間タダで住んでいたことと同じになりますよね。10年間のローン額を貯金していたのと同じことになります。
3.不動産価格の不思議
例えば、車であれば新車で買ったり中古で買った場合、乗れば乗るほど、また年数が経過すればするほど値段は落ちていきます。
しかし不動産は違います。
不動産は取引の巨大なマーケットが存在します。そこでは、物件そのものの価値に加え、需要と供給のバランスや、日本政府や日銀の金融政策、財政政策の影響も受けます。
ですので、不動産というものは、時間が経過すればするほど値段が必ず落ちるとも言えないわけです。
4.ローンの残債以上で売れば勝ち
もし10年後に、買った時と同じ価格で売れれば、その10年間はゼロ円で住んでいたことになります。
そこまでいかなくても、ローンの残りに比べて多少でも高く売ることができれば、それだけでも資金的にかなりのメリットがあります。
賃貸で住んでいた場合よりもはるかに少ないキャッシュアウトで済むので、相当なインパクトの節約ができることになります。
では、「ローンの残債以上で売る」ためには、どうすればいいでしょうか。
それはマンションをどう選ぶか次第です。
マンション選びの上で大事なポイントは2つ。
マンション選びのポイント
- 築年数に着目する
- 景気に左右されにくい物件を選ぶ
築年数に着目する
一般的には、不動産マーケット全体に大きな変化がなければ、マンションは年数が経過すればするほど値段は落ちてくと言えます。
しかし、1年ずつ均等に落ちていくわけではありません。
以下グラフは、築年数ごとのマンション価格の下落率です。

ご覧いただければ分かるかと思いますが、価値が急速に落ちていく時と、ゆるやかに落ちていく時があるんです。
特に築10年〜20年あたりは狙い目です。
需要がしっかりあり、あまり価格が落ちにくいです。
25年以降もあまり価格は落ちにくいですね。
ただ築25年以降になると、実際に物件を見るとやや古い印象を受ける可能性はあります。
老朽化しているということではないですが、マンションのデザインや内装などは、やや古い印象を受けると思います。
その点、築10年15年あたりですと、新築とそこまでデザインや内装は変わりません。特に古い印象も受けないでしょう。
その後住んでも、そこまで値段も落ちにくく、かつ新築と近いクオリティのマンションに住めるので、築10年あたりを購入し、5年〜10年間くらい住むのが狙い目です。
景気に左右されにくい物件を買う
マンションは年数が経過しても、それだけで価格が落ちていくわけではなく、政府の景気対策や、需要と供給などの要因によっても値段が変わることをご説明しました。
景気自体は予測することは難しいですが、需要と供給はある程度予想することができます。
需要が高い物件であれば、必然的に値段は落ちにくいです。
人気があれば高い値がつき続けます(特に、日本は人口が減少していくのは確定的なので、需要と供給には気をつけるべきです)。
マンションの需要を決める要素は、
- 立地
- 新しさ(築年数)
- 高さ(眺望)
だと言われます。
特に立地がもっとも重要です。最悪、これだけ見ていればいいと言っても言い過ぎではないです。
どんなに素晴らしいマンションでも、駅から徒歩30分では買い手がつきません。逆にそこまですごいグレードのマンションでなくても、山手線の大型駅から徒歩3分であれば、好き嫌いは別にしても必ず需要があります。
高さについても、「私は高層階は怖いから3階くらいがいい」という人はいると思いますが、一般的な需要という意味では、高層階であればあるほど値がつきやすいです。
眺望や夜景などは、どんな時代でも人の感動を呼びますから、見晴らしのいい物件は資産価値が維持しやすいと言われます。
こういったポイントを抑えることで、景気に左右されず、また年数が経っても値崩れしにくいマンションを探すことができます。
5.まとめ
今回は、売却を前提にマンションを買うことで、賃貸費用を抑えることができることを解説しました。
5年や10年くらいしか住まない前提で買い、買った時と同じか近い値段で売れれば、ほぼタダで住んでいたことと同じ効果が得られます。
不動産を買うとか、マイホームは「一生に一度の大きな買い物」だと言われ、終の住処というイメージをお持ちの方が多いと考えられます。
しかし、マイホームは一度だけしか選べないなんて、誰が決めたんでしょう?
むしろ、子供が何人できるか分からないし、最近は転職も増えており、将来の収入だって変動するでしょう。
家の形やサイズを、その時々に合わせて変えればいいのではないでしょうか。
値が下がりにくい物件を上手に買って売ってを繰り返せば、最大の固定費である居住費をほぼタダで乗り切ることが可能です。
ぜひみなさんも視点を変えて、住居というものを考えてみてはいかがでしょうか。
終わり