これまでに11回の引っ越しを経験したぼくが、「引っ越しを考えら、やるべきこと」の全てを解説します。

今のアパートの更新が近づいてきたな。そろそろ便利なところに住みかえようかな。
まずは家探しだよな?
そもそも、引っ越しまでのフローや時間、お金はどのくらいかかるんだろう?
と、引っ越しに慣れていない方に向け、フローと気をつけるポイントを解説します。
特に
賃貸物件から賃貸物件への引越し
を対象にして解説します。
1.引っ越しを考えたらやること

今の家の住み替えを考え始めたとします。
今住んでいる賃貸アパートの更新までに引っ越すためには、どのようなスケジュールで進めればいいか、意外にも分からないものです。

物件を探すのにどのくらい時間をかけられるだろうか?
入居物件の入居審査に何日かかるのかな?
引っ越しの準備や段ボールの手配は?
また、引越しのトータルコストもよくわからないな。
特にコストは大事です。
今のアパートの更新に10万。
でも、引っ越しに15万、というのであれば、「お金がもったいないから引っ越さない」という選択もあり得ます。
本記事では、漠然と「引っ越しもありかな」と考えているかたから、実際に物件探しを終えた方までを対象に、やることの全てを解説させていただきます。
これまで転勤や「飽きたので住み替え」などで計11回の引っ越し、12の場所に住んだ経験のある僕が、分かりやすく解説させていただきます。
2.今の家の契約を確認する
「まずは物件探し」と言いたいところですが、冷静になり最初にやっておくべきことがあります。
それは、「今の家の賃貸契約書を確認する」です。
何を見るかといえば、
- 解約違約金はないか
- 退去の何ヶ月前までに連絡すべきか
です。
解約違約金の確認は必須です。
例えば「住んでから1年以内の退去は違約金が家賃の1ヶ月分必要」と記載されていることもあります。
家賃1ヶ月分は大きい金額ですし、違約金が発生しそうであれば時期を見直すことも考えましょう。
次に、事前に退去の何ヶ月前に連絡しなければならないかを確認しましょう。だいたい1ヶ月前か2ヶ月前です。
個人的には、それ以外は見たことがありません。
以下の手順をご覧になり、家の契約、退去までの時間を見積もりつつ、事前に退去連絡を入れましょう。
※この時点では退去連絡はする必要はないです。
3.次の家を探して契約する
もっとも重要なのが、家探しですね。
多くのビジネスマンや働いている方は、土日が休みだと思いますので、物件の見学も土日になるでしょう。
ネットで写真を見るだけでいいような方であればいいのですが、「中を実際に見たい」という方が多いでしょう。
物件の中の見学を「内見」と言いますが、この内見は1日につき2物件か3物件しか難しいです。
もし、今住んでいるところと、希望のエリアが遠方なら、その週で決めることが多いかもしれません。
それに、見学している物件って、結構すぐ無くなります。他人に取られてしまうんですね。
誰も寄り付かないような物件であればそうでもないですが、そこそこ検討対象になるような物件は、本当にすぐ無くなっていきます。
また、鍵の問題で、その日は見学が出来ないというケースもあります。
要するに、見たいタイミングで、見たい物件をいくつもいくつも比較検討するのは困難であるということを覚えておきましょう。
意外にぱっぱと決めなければならないので、こだわりがあったり、優柔不断な人は、予想以上にここで時間を食うので、要注意です。
ネットで見ている段階では「もうここにしよう!」と半ば決めていても、実際に行って内見すると、全然写真と違ったりして、気に入らないなんてことは結構あります。
とくに最近は広角のカメラで撮ったりなんかしていて、実物以上に部屋が広く見えてしまいますね。また、カーテン閉めて写真撮っていて、いざ内見して窓をみると、隣の部屋の室外機が、なんてこともあります。
4.入居審査
気に入った物件が見つかると、こちらだけの意志で契約へと進んでいくわけではありません。
物件にはその所有者がおりまして、その所有者が「この人は入居させて大丈夫だろうか」という入居審査があることが通例。
この所有者の入居審査の観点は、ただ一つ。
「この人、家賃をきちんと払ってくれるかな?」
オーナーや所有者の気にするポイントは、ただこれだけです。
職業や年齢などが審査に特に見られます。
大きなタワーマンションだったり、所有者が個人オーナーでない場合は、家賃が払えるかどうかの収入の証明(例えば源泉徴収票)が必要になるケースも。
この審査に、早ければ1日、長ければおよそ1週間くらいかかるケースもあります(2週間かかったことはないですが、最大1週間かかることもあると覚えておきましょう)。
また家の退去連絡ですが、この段階まできたら、連絡は済んでいることが望ましいですね。
「審査に受かってからじゃないと心配」という気もしますが、ある程度早めにしておくことをおすすめします。
引っ越しをしてしまった後、前の家の契約が残っていても何ら問題はないのです。
でも、「新旧物件の契約の重複」は、ただただお金がもったいないとうことです。
引越しにかかる大事な日にち
- 新しい家の契約開始日(家賃発生日)
- 引っ越し作業日
- 退去立ち合い日
- 契約終了日
これらは、全部一緒というのは難しいですが、できるだけ離れないほうがお金的には節約できます。
5.契約

入居審査が無事合格すると、いよいよその物件(のオーナー)との契約です。
このときに、「支払い」があります。
支払うもの
仲介手数料(新家賃の0.5〜1ヶ月分)
敷金(新家賃の0〜2ヶ月分)
礼金(新家賃の0〜2ヶ月分)
火災保険料(1〜2万円)
鍵交換代(1〜2万円)
入居月の日割りの家賃(新家賃の日割り分)
入居月の翌月の家賃(新家賃の1ヶ月分)
などがかかります。
概ね、住もうと思う金額の3〜4カ月分くらいは一気に払う必要があると考えてください。
10万の家賃であれば、30万〜40万円くらいはその場で払わなければならないということです。
最近は仲介手数料などはクレジットカードでも払えます。
メモ
ちなみに、仲介手数料や礼金は値引き交渉は可能です。またフリーレントをと行って、家賃を数ヶ月間タダにしてもらうことも場合によっては可能です。
この契約手続きは、契約書の記入、仲介業者からの重要事項説明など、おおよそ1時間くらいあれば終わります。
こうして契約の調印が終われば、無事に新しい家の鍵をもらえます。もらった瞬間、その日から家賃が発生すると考えていればいいです。
※「契約手続きをする日」と「家賃の発生がスタートする日」は違っていても問題はないです。
なお、同時並行で以下の日程を、今の家の管理人と擦り合わせておきましょう。
- 今の物件への引っ越し作業日
- 契約終了にかかる退去立ち合い日
引越し作業日はまだ日程が決まっていませんが、だいたいで結構です。
それに、決まる前に事前に今の物件の管理人に連絡しておく方が良いのです。特に、大きめのマンションであれば引っ越し作業日は連絡をするように管理人に言われることもあります。
なぜなら、引っ越しのトラックは大きいですから、「その日の13時は、ゴミ収集車が来るから、引っ越し不可です」とかあり得ます。
またエレベーターがあるようなマンションであれば、同時に2件の引っ越しが重なると作業が無理なので、日程は早い者勝ちになります。
なので、引越し作業日がまだ決まっていない段階でも、早めに連絡をいれておいた方がいいのです。
6.引っ越しと引越し作業日
物件が決まったら、引越し作業の検討に入ります。
業者と日程を決めるのです。
引っ越し作業日は平日が望ましいですよ。
引っ越し業者の費用は、どこの業者でも金曜日、土曜日、日曜日は料金が高いので、できるなら会社を休んで平日に引っ越し作業日にしましょう。
次に、引っ越し業者を選びましょう。
ネットなどで一括見積もりを出すのが基本です。
家具の量、住所、連絡先などを一回で入力できるので、手間が省けます。
一括見積もりをネットで出すと、すぐに(本当に数時間で)引越し業社のサービスセンターから電話がかかって来ますよ。
見積もりを出しても、ネット上や電話では明確な料金は出ません。必ず業者は実際にあなたの家を見に来ます。
この対応をしなければならないので、かつ多くの人は土日になるでしょうから、その日に2社3社来てもらえるように、うまくスケジューリングをしましょう。
相見積もりは大事です。
業者によって、結構料金も違うんですよ。また相場を知っていれば交渉もできるので、3社くらいの相見積もりは出して比べたほうが絶対にいいです。
料金の他にも細かく対応が違います。
例えば業者によっては「今ある家具で捨てていくものをゴミ置場まで運びますよ」とか、地震で倒れにくくなる防災グッズを無料でちょっとくれたりとかします。
料金相場は、一人暮らし25平米住まいが、都内の中で引っ越すとして、3万〜5万円ほど。
夫婦二人の50平米住まいの都内の中での引越しであれば、15万円前後でしょう。
ただし、時期や曜日、荷物の量、どれくらいの距離か、によって料金は変わってくるので、一概には言えません。
業者が決まったら、ダンボールを受け取りましょう。
「うちはダンボールとガムテープ無料!」とアピールする業者もありますが、いままでダンボールが無料でなかったことは一度もありません。
ダンボールは、最低でも引っ越しの1週間以上前には受け取りましょう(業社が見積もりに家に来た日とは別の日になることが多い)。時間を決めて、業者が家まで届けてくれます。
ダンボールを受け取ったら、梱包は必ず引越し作業日より前にやりましょう。
業者の方の話によれば、1ヶ月に1回か2回くらいは「全く準備していない人」がいるそうです。朝いくとまったく荷造りをしていない人です(こういう人に当たると、業者としても心底げんなりするそうです)。
こういう場合、業者が荷造りを手伝ってくれますが、大幅に時間が狂いますし、追加料金を取られる可能性が高いです。
最悪、「次の引っ越しに間に合わないので、今日別日程で」と言われることもあるかもしれませんね。
梱包は思ったより時間がかかります。
僕は引っ越しが多いし、転勤ありきの生活だったので物は少なめにキープする生活を送っているつもりですが、荷造りというものは意外に相当時間がかかるものだなあと毎回思います。
余談ですが、ダンボールって触っていると、手の水分がすごくとられるのか、とても手荒れがひどいです。
引っ越し日が決まったら、やるべきことが一つ。
新しい家の電気とガス、水道の契約
です。
特に電気。
たまに、電気の契約を忘れていて、引っ越しが午後になった場合、終盤の作業がかなり暗い中でやってもらわないといけないおそれがあります。
また、冬であれば電気、ガスは絶対に事前に契約しておくべきです。
ちなみに、この段階では、前の家の電気ガス水道の契約は継続したままにしておきましょう。
理由は後ほど解説します。
7.退去立ち合い日
退去立ち合い日は、物件の退去のチェックと鍵を返す日です。オーナーではなく、多くの場合チェックの業者が見に来ます。
荷物が残っていないかとか、壁が壊れていないかとか。
とくに、汚れをチェックされます。
汚れをチェックすることでクリーニング費用にいくらかかるのかを計算され、これによりあなたの敷金(前の物件に入居した時に払ったもの)がいくら戻ってくるかが決まります。
おすすめですが、引っ越し作業が終わり、そしてこの退去立ち合い日までの間、一度前の部屋に戻って掃除をすること。
世の中印象も大事ですから、きれいに掃除しておくだけで、敷金の戻りがいいです、実感ありです。
僕は毎回必ず「入ったときよりもきれいに」くらいに気持ちで掃除します。
この掃除をするために、前の家の電気やガス、水道の契約はこの日まで契約したままにします。
そうして、立ち合いが無事に済んだら、水道、電気、ガスの契約を止めるのです。
退去立会いが済めば、この時点で鍵を返しますからもう前の家に入ることはできなくなります。
そして、その退去の立ち会いの日と同じ日か、または(余裕を持って)その次の日くらいを、前の家の契約終了日に設定しておくと良いでしょう。
これで、引越しは終わりです。
8.まとめ
引越しを考えてから、家探し、引越し、コスト、退去までの一連のフローについてご紹介しました。
やることは決して多くはないですが、各日程の順番を意識することで、効率的に動くことができます。
効率的に動けば、「前の家と新居の契約の重複」が少なくなります。これにより資金負担を減らすことが可能です。
終わり